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【気になる言葉その6】世間で言われるところの「創業塾」について

SNSのThreadsってXとは違う発展をしているようですね。熱活日記と今日のナッジを書いているのですが、書いた内容や投稿にいいね!をした内容をAIでみてリコメンドしているようです。知らない方からのなるほど!とか共感できる投稿が入るようになっているよう。そこで出ていた「ある30万円する創業塾」について検討中のかたの投稿について取り上げたいと思います。

世にある新しい言葉をほぐして、紐解いていくシリーズ。第1弾「BANI(バニ)」はいかがでしょうか。第2弾は「エシカル(ethical)」第3弾「カオス(chaos)」第4弾「ナラティブ(narrative)」第5弾「伴走型支援」に続き第6弾の今回は「世間で言われるところの『創業塾』」についてとりあげます。

Q1:「創業塾」ってなんですか?

回答:
その名の通り、「創業を希望する方のために、創業について必要な情報・知識・スキル等を教えてくださる塾」になるのですが、タイプがいろいろあるのでご紹介したいと思います。

Q2:「創業塾」にはどういう種類がありますか?

①お住まいの地域の公的な創業塾(特定創業支援)
一般的ではないのかもしれませんが、私たち中小企業診断士はこれを想定します。医療だと保険診療、うけられるなら受けないともったいないと熱くお勧めしています。

特定創業支援とは国が決めた制度で創業前から5年以内の方(5年以内は若干異なる場合あり、法人設立後ではうけられないので注意!)に向けて各自治体が決めている創業支援スキームです。個人事業主から法人化をした場合の登録免許税の減免、創業融資の特典、小規模事業者持続化補助金の増額など特典があります。
どの地域にもあり、基本はお住まいの自治体(市区町村)、法人を別の地域で設立する場合はその地域でOKになることもあります。「お住まいの自治体+特定創業支援」で検索すると出てくるはずです(ない場合はお住まいの役所にお電話してください)。
特定創業支援には創業塾でスクール形式と専門家による個別相談支援があります。創業塾は対面とオンライン、アーカイブ動画のところもあります。専門家による個別相談支援は創業前や創業後の制限があることがあります。最低でも1か月間は必要で、ぴったりということは難しく、証明書発行などで2か月を見ておくほうが安心です。地域によるガチャはありますが、あたりの場合はめちゃめちゃあたりです。なお、創業塾は有料でも数万円ですので、よければぜひ調べてみてください。ただ年1回開催も多いです。個別相談支援は公的支援機関からになりますので、基本選べないことが多いと思いますが、無料です。私もある地域でしていますが、こういう仕事をしている人は怖くないので安心ください(笑)


②自治体・公的支援機関、商工会商工会議所、信用保証協会等が主催している創業スクール
地域によっては年1回でタイミングが合わない、締め切られてしまったというケースもあります。その場合は①の市区町村の特定創業支援ではないけど、自治体、公的支援機関(創業支援施設)、商工会商工会議所、信用保証協会がしている創業スクール(名称は創業、開業、起業とばらつきはあるかもしれませんが)がおすすめです。こちらも保険診療タイプです。

特定創業支援のように連続形式のもの(1つで受けられるケースもある)に加え、単発のセミナーもあります。オンラインで数時間で受けられるものも多いのでぜひうけてほしいです。単発についてはCanvaやInstagram、生成AIなども多いですよ。無料のものが多いです。
なお、公的支援機関や商工会商工会議所は①の特定創業支援のセミナーを実施していることもあります。(その場合は「特定創業支援事業」とチラシやウェブサイトに入っていると思います)
信用保証協会は、創業融資の保証をしてくださる影の力持ち的な存在ですので、融資をご検討の方にはおすすめです。
私がよくこのサイトで取り上げている中小機構BusiNestは国の機関ですし、オンライン受講もできセミナーは原則無料なので、テーマさえあえば、ぜひ受けてほしいんですが…というのがこの記事を書く動機の1つでもありました(;’∀’)

③民間の創業スクール
こちらは自由診療といえるでしょうか。いろいろあります。
・創業のプロプロフェッショナル系
・スタートアップ系 自治体によっては①や②であるケースもあり
・ソーシャル系
・ネットプロモーション系
という感じでしょうか。

いろいろな創業のかたちがあり、よっていろいろな選択肢があり、その中でご自分が行きたい講座に行くのが一番とおもっています。保険診療の公的なものはお得ですが、自由診療の民間のものは内容が特化していたり、講師を選べること、集まっている生徒や卒業生組織(コミュニティ)がすごいなど、地域や国内外につながる場合もあり、価値がある場合もあります。

ただ、私が懸念しているのは、以下の3点なのです。
1点目:創業塾への多額の投資はマストではない!いくかいかないかは自分で決めていい!
Threadsの投稿で「数十万円創業塾に投資しないと起業できないといわれた」とか「収入の何割を創業塾に投資する覚悟が必要」とみました。そんなことは決してないです!公的な創業塾と無料相談のみで創業されてうまくっている方もたくさんいらっしゃいます。恐怖心をあおられるのであり、自分のキャリアですから「自分が必要だと思ったらいく」というスタンスがいいと思います。

2点目:費用(投資)と自分が自由にできるお金(自己資金)との見合いで考える
授業料がいろいろあるとききます。もちろん公的な学校は公的な助成があるから安いので、民間であれば講師の報酬、教材制作、広告費・・・とかかりますので、ある程度高くなるのは当然です。大変高額なものがあるとききますが、自己資金との兼ね合いで検討されることをおすすめしています。自由に使える預金残高が1,000万円ある方が100万円の創業塾を受けたいとおっしゃるなら、お気持ちがあれば、それは他人が止める話ではありません。ただ、その費用を支払うと本来の創業資金が減ってしまうとか、すごく節約しないといけないとか、お金を借りないといけないとかは優先順位が違う気もします。
お伝えした通り、保険診療のような創業塾やセミナーも充実していますので(セミナーにいけないのであればネットに無料冊子もあります!)それをお使いすることをお勧めします。

③主催者から搾取されていないか問題
私が公的支援機関でお話を聞いた方には、創業スクールが初級中級上級のような数十万単位の階層構造になってお金を払い続ける構造になっていることや明らかに内容に比べて高い値段設定などがありました。自分を高めるためのスキルアップ、習い事なら効果はあるでしょうし、ここでいうお話ではありません。しかし、お金を投じて勉強することと創業の成功は比例するとはいいきれません。

もし、高額な創業塾をご検討される場合、
基準1:講師やプログラムの質や実績や経歴、著書などの根拠があること
・主催者が学校などなら安心できます
・価値のあるプログラムならしっかりレジュメやシラバスがあるはずです
基準2:投資額を改修するメリットを書き出す
・顧客獲得につながる(宣伝費がうく)→ただし、お客さんを紹介するといいながら紹介しない、あるいはかなりマージンを搾取するケースもあるようですので注意です
・モチベーションを維持できる(メンタリング)→回数を確認しましょう。別の方法では、公的支援機関の定期的な指名での利用あるいは個別契約で経歴を持つ起業家などのメンター契約ならもう少し費用を抑えられる気もします。
・人脈形成→卒業生コミュニティが確実に世界を広げるとわかっているなどです。言葉を信じるのではなく、ちゃんと確認するほうがいいです。良心的な団体であればお金がないのに無理に払うようにはおっしゃらないとおもいます。

③投資対効果
・数十万の投資と考えて、リターンを計算してみます。ご検討しているビジネスの売上から経費を引いた粗利で(わからなければ売上でOK)何か月で回収できるかという考えもあります。これは店舗の設備投資とかと同じです。目に見えないものは見えるものより難しいですし、投資が必要なケースもあります。それと高額なものを投資していいことはイコールではないのでそこはしっかり考えてみてください。

いかがでしょうか。起業のスタートということで、主催者がおっしゃるいいお話だけに心奪われず、ご自分の目で判断する基準をシェアしてお伝えしました。私もいろいろこういう思いをしているので、反省を込めて書きました。

創業については、先に①や②の公的なセミナーを受講してみて、自分で見る目をある程度養ってから、創業塾仲間と仲良くなって相談し合えるようになり、ご検討されるのがいいとおもいます。

Q3:どうやって探せばいいですか?

回答:
Step1:まずは、公的な創業塾①②を探しましょう。
1:お住まいの市区町村+特定創業支援で検索
2:お住まいの自治体で創業支援や創業塾で検索
3:お住まいの地域の商工会商工会議所のページ
4:お住まいの地域の信用保証協会のページ(都道府県政令指定都市)
で①②を探してみましょう。東京都はTOKYO創業ステーションでいろいろ発信されています。

Step2:無料で相談できる公的支援機関を探しましょう。
1:お住まいの都道府県のよろず支援拠点
無料で何度でも相談できます。テーマ別に指名でお願いできます。
2:地域名+無料+創業相談
地域によっては出てくる場合もあります。無料で何度でも可能で、オンラインOKのところも多いです。私のいる窓口ではそうやって検索したときいています。

いかがでしょうか。今後も新しい言葉を取り入れていきます。お役に立てますと嬉しいです。

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