
【気になる言葉その13】動きながら答えを探す力をつける「エフェクチュエーション」
こんにちは、ふじたクリエイトスタジオ代表の藤田有貴子です。 中小企業診断士×キャリアコンサルタントという“ビジネスとキャリアの二刀流”で、VUCA/VANI 時代のもやもやをオール・インクルーシブに伴奏して実現に変える触媒を目指しています。
世にある新しい言葉をほぐして、紐解いていく気になる言葉シリーズ。
その1「BANI(バニ)」、その2「エシカル(ethical)」、その3「カオス(chaos)」、その4「ナラティブ(narrative)」、その5「伴走型支援/伴奏型支援」に続き、第6弾再び「ナラティブ(narrative)リターンズ、アゲイン?!」、その7「ナッジ」、その8「mixi2」、その9「TAMSAMSOM」、その10「PA(パブリックアフェアーズ)」、その11「行動経済学」、その12「インクルーシブ」

今回その13は、その12の「インクルーシブ」でも触れていますが、「エフェクチュエーション」についてとりあげます。
実はこのエフェクチュエーション、2022年に所属する中小企業診断士協会のコラムで書きまして、当ブログでもお伝えしています(今サイトの改編で消えておりますが…)。
それがきっかけとなり、日本監督士協会「月刊リーダーシップ」2023年12月「成功するリーダーの行動論理エフェクチュエーション」として書かせていただきました。創業者向けのセミナーではお伝えしています。
新しい事業の進めかたという観点で、2025/7/11開催のセミナー「事業開発とプロジェクトマネジメントのプロと学ぶ! ~正解がない時代にプロジェクトを成功させる「動きながら考える方法」~」でもお伝えするのと、当事務所のYouTubeチャンネル「夢を動かす壁打ちチャンネル」(2025/6/23(月)朝10時公開)でもこの内容をお送りしますので動画も併せてお楽しみください(18分)。
Q1:エフェクチュエーションとは?
米ヴァージニア大学ダーデン校のサラス・サラスバシー教授が提唱した、“先が読めない時代に成果をつくる” 行動論理。要点をひと言でまとめると、
「今ある手札で小さく動き、動きながら未来をつくる」
というアプローチです。
伝統的な「予測→計画→実行(コーゼーション)」とは対照的に、手持ち資源を起点にしながら行動・修正を繰り返していく点が特徴です。
私は 2022 年に協会コラムでご紹介し、2023 年『月刊リーダーシップ』12 月号の特集でも解説しました。7 月開催のセミナー「正解がない時代にプロジェクトを成功させる“動きながら考える方法”」や、6 月 23 日公開の YouTube「夢を動かす壁打ちチャンネル」でも深掘り予定です。

エフェクチュエーションを確立したアプローチも成熟した起業家、アメリカで上場に導いた起業家の行動を検証した実験より導かれたもので、しかも起業家ではなくても受け入れられそうなシンプルな原則なのです。
Q2:エフェクチュエーションの5つの要素とは?
1:手の中の鳥の原則

「手持ち資源(人・物・金・情報)から始めましょう」ということです。
今手にないものができたら始める。例えば「宝くじで1億円当てたら始める」は夢や妄想を語るときは良いのですが、実際の事業となると当たる確率を考えると、現実的ではないかもしれません。
今手の中にあるものをみてやりたいことに何ができそうかをみることが一番現実的です。なぜならやりたいことをするための手段は無数にあるからです。
2:許容可能な損失の原則

「使ってよいコスト・時間・心理的負荷を先に決める」ということです。
事業がうまくいけばいいですが、失敗するときもあります。挑戦するからこそ失敗するときのことは最初から考えておくのが安心です。
具体的にはお金のところ、時間のところ、そのほか信念やこだわりなどの心理的なところ、どこまでならかけられるかを決めておく、妥協はしすぎないのが結果として安心です。
3:クレージーキルトの原則

「共感する仲間にする仲間を集め、アートを作るように一緒につくっていく」です。不確実のなか、正解のない事業を、動きながら考えるいは自分だけでは限界があります。
仲間を探すこと、今近しいかは関係ありません。リアルでもオンラインでも、相談に行く形でもOKです。実際に動くのはひとですので、ある組織やある人に否定されたからと言ってひるまないでください。違うルートを違う方法で探せばいいことです。言い出した立場として自分の意図と違った場合は、NOといってもかまいません(許容可能な損失の原則になりますが)
4:レモネードの原則

「予期せぬ出来事を価値に変える」ことです。
「禍を転じて福と為す」というように起きたことが幸せか不幸せかはわかりません。それはクレージーキルトでも手の中の鳥の組み合わせなのか、福にするにはどうするかを考えていきます。ひとりだと難しいので、ポジティブに考えられる人が仲間(チーム)にいるといいかもしれません。
5:飛行機の中のパイロットの原則

「走りながら修正し、機体を操縦し続ける」です。動いている中では決断は大変ですし、ベストな決断は難しいです。なぜってレモネードの法則でお伝えしたように起きた出来事がその時良いか悪いかは判断できないからです。
最新鋭の機器を積んだ飛行機のパイロットは訓練を受けた優秀な人材です。AIはすごいですが、総合的な判断力ではまだ人にはかなわないということです。乗客やクルーの命を預かりながら、動きながら決断を下していく必要があります。
最初はできなくても少しずつすることで違うことも決断できるスピードが速くなります。1人では難しければクレージーキルトで問うのもいいです(大勢より数名の信用できる人がいいとケースもありますが)。悩む場合、許容可能な損失の原則に触れる場合はあらためて考えていくチャンスです。
Q3:「エフェクチュエーション」をどのように生かしていけばいいですか?
壁打ちに当たってのポイントをお伝えします。
① 小さく試す
まずは 「5つの原則を意識する」 だけでも効果ありでう。手元のリソースを書き出し、1か月でできそうな行動をしてみると習慣化するかもしれません。
② 損失ラインを決める
お金・時間・エネルギーの “使っていい上限” を決めると、不安が減り行動のスピードが上がります。
③ 仲間と壁打ち
一人で抱え込まず、クレージーキルトの精神で“価値観が近い少人数”に相談すると視界が一気に開けます。壁打ちラウンジもご活用ください。
④ 学びは困ったときほど深まる
本や講義で“予習”するのも大切ですが、 「壁に当たってから学ぶ」 方が定着率は高いと私は感じています。まず動き、必要に応じて吉田満梨先生のご本「エフェクチュエーション」の書籍やエフェクチュエーション協会などで深掘りしましょう。
正解がない、不透明なVUCA、VANIの時代「動きながら考える」 ことで道は開けると感じています。エフェクチュエーションは、経験豊かな起業家だけでなく、これから何かを始めたいすべての人に役立つ指針です。
当事務所のYouTubeチャンネル「夢を動かす壁打ちチャンネル」(2025/6/23(月)朝10時公開)でもこの内容をお送りします(18分)。よろしければこちらでもご覧ください。この記事が、みなさまの気づきや一歩を踏み出すきっかけとなれば、とても嬉しいです。
お知らせ
事業開発とプロジェクトマネジメントのプロと学ぶ!~正解がない時代にプロジェクトを成功させる「動きながら考える方法」~
https://pm-bizdev-0711.peatix.com
動きながら考える方法をプロジェクトマネジメントのプロとがえりさんと事業開発の私で考えていくセミナーです。有料ですがフォローアップもあり、しっかりフォローします!宣伝すみません(;’∀’)

②夢を叶える壁打ちワークショップ 毎月11日朝 2025/7/11(金)7:00(グループ形式/無料)
https://peatix.com/event/4455413/dashboard

②夢を進める壁打ちラウンジ(1対1/無料)毎月1のつく日に不定期

開催予定 ※Dreamgateには先行掲載、Peatixにいれていきます
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必要な方に届きますように🍀