【当事務所についてその3】フリーランスってどうでしょうか?
前回、その1(当事務所の名前の由来)、その2(中小企業診断士とは)はいかがでしたでしょうか。
通常であればもう1つの国家資格、国家資格キャリアコンサルタントについて語るところですが、その前に気持ちが変わりまして(;’∀’)お勤めの方に聞かれるシリーズその3「フリーランスなんですね。どうでしょうか。」についてお伝えします。
Q1:フリーランスとはなんですか?
回答:
Wikipediaによると、「フリーランス(英: freelance)は、特定の企業や団体に所属したり、特定の組織の活動に専従したりしておらず、したがって雇用契約や労働契約の関係を結んで労働力を提供するのではなく、業務委託などにより自らの技能をサービスや成果物を通じて提供することによって生活する、社会的に独立したライフスタイルの個人事業主を指す総称である」とあります。ポイントは、以下になりそうです。
- ①特定の企業や団体に所属していない、特定の組織の活動に専従していない
- ②業務委託などで自らの技能をサービスや成果物で提供する
- ③社会的に独立したライフスタイル
①特定の企業や団体に所属していない、特定の組織の活動に専従していない
私も資格の協会や商工会議所などの団体には所属していますし、フリーランス協会もありますし、各技能の協会やコミュニティもあり、どこにも所属していないフリーランスはあまりいないと思いますが…
特定の企業や組織にコミットをする(専従する)とその分得られること(収入の安定性や心理的安全性、深い情報に触れられる)ことも多いです。一方、収入的や精神的にその団体に縛られることになり、自由に判断できないこともあります。フリーランスよりも大事なのはキャリアであり、収入面なのでメリットデメリットで主体的に決めることだと思います。
「組織に締め付けられて困っている」というお話もたまにききます。収入面や人間関係で難しい事情もあるかもしれませんが、フリーランスであれば組織側が何とおっしゃっても、嫌なら組織をやめて、自立すればいいことだとおもいます。法制度でも守られている雇用よりは関係は契約関係でドライです。ただし、契約書などになると法律の問題になります。フリーランスにも下請法が適用され、下請法の相談窓口もあります。
組織との相性があるので、自分がいいというところにかかわればいいと感じています。それがウェルビーイングであり、生産性も創造性も上がって結果としてよいと思うのです。フリーランスは自由なんです。
それに大事なのが次の「②自分の技能」を高めることです。そうすると組織を離れても大丈夫になります。私も技能は高めるよう努力しています。詳細は以下をご覧ください。
②業務委託などで自らの技能をサービスや成果物で提供する
自分の「技能」を「成果物」で提供するということ。
内閣府が2019年実施した調査によると、産業別フリーランスで一番多いのは「建設業」のようです。
建設業=まさに技能!内装・外装など、工程に分かれていて、資格も多いですね!
成果物=建物など
となるのでしょうか。
卸売・小売についても目利きや販売、接遇は技能ですね。
ただ、こちらをご覧になる方の中はフリーランスといえば、PCの前でするお仕事を想定されている方も多いと思います。
株式会社デイトラが全国のフリーランスを対象に2021年10月に実施した『「フリーランスの道」に関する調査』によると、現在の職種はライター、デザイナー、コンサルタントがTOP3でした。こちらのほうがフリーランスという言葉からイメージしやすいかもしれません。
ただこれでお伝えしておきたいのは、「技能を高めるにはどうするか」です。
「技能を高めるスクール」「創業者としての事業を学ぶスクール」に通おうとする方が多いようです。どのスクールも特徴があります。大事なのは、①ご自身の経済状況と②ご自身の技能レベルを含め、③費用対効果(コストに対し何を得られるか)をしっかり考えてから選ぶことかとおもいます。
なお、後者の「創業者としての事業を学ぶスクール」については、数十万円単位のものがあると聞きます。それなりの投資をする意義があるというのなら問題ないですが、大事なのはご自分で雰囲気ではなくご自身で上記①~③をちゃんとみているかです。私は会社員時代ある程度の額のセミナーに行き後で後悔したこともあります。できれば最高数万円の範囲で受けられる公的な創業塾・創業スクール(自治体名+創業塾あるいは自治体名+特定創業支援で検索してください)を受けてみてください。オンライン形式の一回完結セミナーやオンラインの無料セミナーもあります。見極め方を聞かれますが、自治体主催と商工会議所や商工会議所主催は信じていいと思います。創業の基礎や目利きができるようになってから必要に応じて他を考えていただくことをおすすめしています。
技能については私の業界の例では、東京に多いですが「マスターコース」と呼ばれるゼミ形式のスクールが存在します。私が通ったのは「稼げる!プロコン育成塾」というところです。人的資本という考えがありますが、お仕事についてご相談する先輩はこちらの先輩やOBの方が多いです。一時期正社員で務めた中小企業診断士の社長の会社も専門家や大きな団体の執筆のお仕事などもこちらのご縁で得たこともあります。他もいろいろ特徴もあります。
以上は私の例ですが、どの分野でも複数を①カリキュラム、②価格、③先生が誰か、ご相談ができるか、④コミュニティとしての横のつながりで検討され、しっかり見極めてください。企業等に勤めていれば所定のスクールについて受講料の一定割合が戻るなどの厚生労働省の支援制度を利用できる可能性がありますが、フリーランスには利用できません。勤務時代からスクールに通うなどをご計画されることをおすすめします。
以前「収入もたたず、事業開始に必須でもなく、貯金がないが、よりよくするために100万円のスクールに通いたい」というご相談があったのですが、①収入をためてから考える、②100万円のスクールのエッセンスを分解し、その要素を安く受ける方法を検討する、ことを全力でおすすめしました。100万円のスクールに通えば学ぶことは0であることはないでしょう。それを先方はいってこられます。しかし大事なのは100万円の投資が賄えるか、事業に100万円をはるか超える売り上げが出る妥当性だとおもいます。
③社会的に独立したライフスタイル
なお、Wkipedeiaでは続いて「日本では法令上の用語ではないが、自由業または自由職業とも呼ばれる。この形態により請け負った業務を遂行する人をフリーランサーまたはフリーエージェントとも呼ぶ。」とあります。
確かに フリー=自由 ですものね!
私のお仕事は公的支援分野(行政からの直接のお仕事など)、企業様などに補助金などの公的支援や壁打ちなどでの支援、それ以外の事業(研修や執筆、キャリアコンサルタントその他)ですが、売り上げ的にそれがいきなりなくなることもよくありますので、特定の売上割合を増やしすぎないようにしています。
無理にバランスさせないで、1つにしっかりコミットする(フリーランスではないかもしれませんが…)もありえます。それらはすべて個々人のキャリア戦略です。
なお、私は中小企業診断士という国家資格を持っていて士業ともいえます。士業の団体(協会といいますが、医師会とか弁護士会とかそれぞれに名前がついていることが多いです)はその団体に入っていないとお仕事ができないというものが多いです。コンプランスなど守るべきことは当然ですが、組織であれば会社に入っているようなお作法もあります。
中小企業診断士は協会に入らないと活動できないわけではない一方、協会に入っているからこそいただくお仕事もあります。ただ、ベースとしているのは資格にとらわれず、ふじたクリエイトスタジオ(藤田有貴子)として自由にお仕事をしていくことなので、「フリーランス」と名乗っております。士業については別に語ることになるかもしれません。
Q2: フリーランスはどうですか?
回答:
「私には、あってました」が回答です。「ぜひなりましょう」とは決して言えないです。いいことばかりではないですから…
理由1:収入があり、生活が成り立ってこそのフリーランス
私の書いていることは夢を大事にと書いていますが、収入は大事と感じています。どの程度の収入はいいかは個人の価値観によりますし、収入を必ずしてもフリーランスの収入ではなく、ご家族などサポートしてくれる方や預貯金など経済状況は人によって違います。それで生活を維持できるかです。
「なんとかなるでしょう」でフリーランスになるのは自由です。うまくいったときがAプランだとすると、預貯金を切り崩す、サポート受けられる方に頼む、別の仕事をするなどのBプランを持っておく必要があります。Bプランがあればある程度大丈夫かなと思います。
雇用の場合は退職後、求職活動の意思があれば失業保険をもらえますし、疾病手当金の制度があります。フリーランスには基本ありません。
理由2:副業・パラレルキャリアでもある程度できる
正社員でも副業OKのところが増えています。非正規といわれる契約社員・派遣社員・パートアルバイトの方はより一層副業OKとなるところが多いと思います。
リモート勤務が増えたり、フレックスがあったりで、フリーランスのような仕事を兼業・副業ですることも可能になってきました。
私も独立する前は副業の経験がありますが、ベースの収入があるので余裕をもって行えます。入金が遅れても心配がないのはよいところです。フリーランス向けのマッチングサービスなども利用してまずされてみてください。
理由3:予想外を受け入れられるかの力
「自分が思っていた事業で売り上げを立てているとは限らない」ことも実際多いです。私も一時期全く違う仕事をしました。成功したスタートアップを含め多くの会社が立ち上げとは違う事業(ピボット)をして成功をしているそうです。当初は世の中に存在していなくて想定できなかったけど、その事業が案外自分には合っていてめぐりあわせといえるかもしれません。
自分が思っていたことと違うがしばらくたっても納得いかないことが多く、自分の心がすさんでいくなら、フリーランスをやめて雇用に戻ることもあれば、フリーランスでかかわった会社で「ここでもっとコミットしたい」と雇用に戻るケースもあるかもしれません。
今の時代は特に時代の変化も激しく、ChatGPTなど技術動向も早く「行動してみないとわからない」ので、それを楽しみプラスに変えたいです。フリーランスにとどまって成功したり、ご自身の成功の定義が変わったり、フリーランスから雇用に戻ってそこで出世をされてているケースもよくあります。これは私のテーマでもあるので、別の記事でしっかり書いていきたいです。
その3はフリーランスについてお話しました。気が向いたら、続きを書くかもしれません。ご参考になれば幸いです。
話してみたくなった方は、ぜひ毎月11日開催の「夢を叶える壁打ちラウンジ」(無料・オンライン・4名まで)にいらしてください。