【気になる言葉その12】「インクルーシブ」の波が来ている?

こんにちは、ふじたクリエイトスタジオ代表の藤田有貴子です。 中小企業診断士×キャリアコンサルタントという“ビジネスとキャリアの二刀流”で、VUCA/VANI 時代のもやもやをオール・インクルーシブに伴奏して実現に変える触媒を目指しています。

世にある新しい言葉をほぐして、紐解いていく気になる言葉シリーズ。
その1「BANI(バニ)」その2「エシカル(ethical)」その3「カオス(chaos)」その4「ナラティブ(narrative)」その5「伴走型支援/伴奏型支援」に続き、第6弾再び「ナラティブ(narrative)リターンズ、アゲイン?!」その7「ナッジ」その8「mixi2」その9「TAMSAMSOM」その10「PA(パブリックアフェアーズ)」その11「行動経済学」

今回その11は、「インクルーシブ」についてです。暮らしのあちこちでいろいろな分野から「インクルーシブ」なことが始まっていることをお伝えしたいです。

Q1:インクルーシブとは?

最近、「インクルーシブ」という言葉を耳にする機会が増えています。「インクルーシブ」とは、直訳すれば「包括的な」という意味ですが、それだけではピンとこないかもしれません。なお、反対語は、「エクスクルーシブ(exclusive:排除的、排他的)」であり、その反対ですのですべて受け入れるという意味ととらえます。なお、「インクルーシブパッケージ」はすべて込みです、今風でいうとまるっとおまかせみたいな感じでしょうか。

実はこの言葉、組織運営や教育、健康、農業、環境、ビジネス支援など様々な分野で共通して大切にされ始めている価値観を表しています。多様な人々や資源を排除せず活かし合い、循環や共創によって持続可能な成果を目指す考え方、それが「インクルーシブ」の精神です。では具体的に、各分野ではどんなインクルーシブな取り組みが進んでいるのでしょうか?今回はその一例をご紹介します。

Q2:インクルーシブな概念とは?

組織:フォロワーシップとコーチングで共創する職場

組織の世界では、トップだけが引っ張る従来型のリーダーシップよりも、メンバー全員が力を発揮する“フォロワーシップ”が重視されつつあります。コーチングは答えはあなたの中にあるとその人にある可能性に照準をあてる考えです。

例えば高知県の小さな自動車販売会社では、社長が「競争より共創」「革新より進化」を掲げ、トップダウンではなく社員一人ひとりの主体性を尊重する経営を実践しました。社長は部下に頭ごなしの指示や叱責をせず、「任せる」姿勢を徹底します。社員が自ら気づき、考え、行動し、改善できるよう環境を整えたのです。その結果、生き生きと働く社員が増え、子育て中のワーキングマザーの女性営業スタッフも自信を持って活躍できる職場になっています。全員が意見を言い合い、互いにサポートし合うフラットな雰囲気が生まれ、この会社は全国トップクラスの顧客満足度を達成しました。リーダーとフォロワーが共創するインクルーシブな職場は、強いチームワークと持続的な成長を育んだということです。

教育:探求学習で多様な学びを共創する教室

教育の現場でも、「インクルーシブ」なアプローチが広がっています。その代表が探求学習(プロジェクト型・問い探し学習)です。教師が一方的に知識を押し付けるのではなく、生徒たち自身が興味関心に基づいて問いを立て、調べ、発表し合うスタイルの学びです。日本の文部科学省も新学習指導要領において「探求的な学習活動」を重視し、各学校での導入や実践を推奨しています。従来の科目単位の知識だけでは対応できない、複雑で答えが一つではない社会課題に対応できる能力を育むためです。

例えば、国内でも多くの学校が探求学習を取り入れています。東京都立小石川中等教育学校では、生徒たちが自主的にテーマを設定し、地域の課題や環境問題、社会課題などを調査・分析し、成果を発表しています。また、広島県の私立学校では、生徒が地元企業や地域住民と協力して地域活性化プロジェクトを企画・運営しています。これらの活動を通じて、生徒たちは自ら問いを立て、異なる視点を持つ人々と対話しながら協働して問題を解決する力を身につけています。

海外ではアメリカの公立校「ハイテックハイ」では、多様なバックグラウンドの生徒たち(低所得層の子どもが約4割)を抽選で受け入れ、協働プロジェクトを通じて全員の創造性を引き出しています。生徒たちは禁書に指定された本を題材に社会問題を調べて展示作品を作ったり、海洋プラスチックごみを題材にボートを制作したりと、ユニークなプロジェクトに没頭します。知識の暗記ではなく対話と協働を重ねることで、生徒一人ひとりの個性や強みが輝くのです。「正解」が一つではない探求学習の場は、障害の有無や得意不得意を超えて誰もが参加できるインクルーシブな教室と言えます。みんなで作り上げる学びのプロセスそのものが、生涯にわたって多様性を尊重し合う姿勢を育んでいるのでしょう。

健康:人と地球をつなぐプラネタリーヘルス

友人から聞いたのですが、医療・健康分野で注目されるインクルーシブな考え方に「プラネタリーヘルス(Planetary Health)」があるそうです。それは人間の健康と地球環境の健康を切り離せないものと捉える新しい視点です。例えばハイチで始まった「プラスチックバンク」は、環境と人々の暮らし両方に良い影響をもたらす画期的な取り組みです。地域の住民が道端や海辺のプラスチックごみを集めて持ち込むと、現金や子どもの学費と交換してもらえる仕組みで、回収されたごみはリサイクルされてグローバル企業へ再資源化として提供されます。その過程で現地ではリサイクル事業の起業家育成プログラムも行われ、金融知識の教育までセットになっているのです。この取り組みによって、町からプラスチックが減り蚊の繁殖地が解消されてコレラなどの伝染病リスクが下がる一方、住民は収入を得て子どもを学校に通わせることができます。まさに人間の健康と環境保全が両立する好循環を生み出しており、2019年には気候変動対策の国連賞も受賞しました。プラネタリーヘルスの理念のもと、気候変動や生態系の問題に医療・公衆衛生の専門家たちも協力し、地球規模で持続可能な健康づくりが進められています。「地球を包括して考える健康」というインクルーシブな視点が、次世代の医療を変えようとしているのです。

農業:不耕起栽培と資源循環で自然と共生する農法

農業の分野でも、インクルーシブな価値観が伝統的手法を見直す動きを後押ししています。

例えば不耕起栽培は土を耕さない農法で、土中の微生物や生態系を壊さず活かすことで土壌の持続力を高めます。先日、SHO FARM様という不耕地栽培をされている農場を視察する機会をいただきましたが、「土を耕さずに微生物に任せつつ本来の土に戻していく」という発想もすごいですし、雑草をできるだけぬかず緑肥として周りを覆って感想や害虫から防ぐことや、コンパニオンプランツといって違う作物を一緒に植えると分泌物で害虫が来なかったりするなど最新の手法をデザインしつつトライアンドエラーをされていました。また、周囲の事業者からの廃棄される資源を受け取って、コンポストや畑に活用するなどインクルーシブかつ既存の資源を最大限に活かした多様な取り組みをとりつつ、収益も上げているそうです。

また多様な資源循環型農法として有名な合鴨農法では、水田にアイガモ(家禽の合鴨)を放して稲作と畜産を一緒に行います。合鴨のヒナが田んぼで泳ぎ回りながら雑草や害虫を食べて育ち、糞は稲の肥料となり、水をかき混ぜて土を柔らかくするというそんな自然の営みを利用した仕組みです。化学農薬や除草剤を使わなくても、合鴨たちが雑草と害虫を減らし、稲は元気に育ちます。福岡県桂川町の古野隆雄さんは30年以上かけてこの方法を確立し、自身の田んぼで無農薬のお米と合鴨肉の両方を生産するとともに、そのノウハウを世界中に広めました。

海外でも、アメリカの再生型農業(リジェネラティブ農業)の先駆者ゲイブ・ブラウン氏が、数種のカバークロップ(被覆作物)を輪作することで荒れた土壌の有機物含有量を飛躍的に高め、農薬に頼らず収量と利益を上げることに成功しています。

いずれの事例も、多様な生きものや循環の力を活かして持続可能な農業を実現した点で共通しています。人間が自然を「支配する」のではなく、自然と共生し調和するインクルーシブな農法こそが、これからの食と農を支えていくのかもしれません。

環境:トランジションタウンが生む草の根の共創

環境分野におけるインクルーシブな取り組みの象徴が、市民発のエコムーブメント「トランジション・タウン」です。これは2006年にイギリス南部の小さな町トットネスで始まった運動で、化石燃料に依存した社会から地域ぐるみで持続可能な社会へ移行していこうという試みです。日本でも最初のトランジション・タウンは2008年に神奈川県藤野町で誕生し、以来全国各地に広がっています。藤野では有志の市民たちが集まり、地域通貨「よろづ屋」を発行して地域内経済の循環を促したり、自然エネルギーで電力を自給する「藤野電力」というプロジェクトを立ち上げたり、無農薬野菜のお百姓クラブを結成したりと、次々にユニークな活動を生み出しました。これらはすべて「こんなことをやりたい!」という誰かのアイデアと情熱に共感した仲間たちが集まって始まったものです。大事なのは専門家や行政任せにしないこと。住民一人ひとりが主役となり、やりたい人がやりたい時にやりたいだけプロジェクトに参加する、そんな緩やかなモットーが藤野の合言葉でした。

熱意さえあれば肩書きや立場に関係なく受け入れる懐の深さこそ、トランジション活動の源泉です。その結果、小さな町から生まれたアイデアが全国規模の運動に発展し、人と人、人と自然が支え合う地域コミュニティが各地に育っています。「みんなで地域の未来をつくる」というインクルーシブな精神が、環境問題への草の根からのアプローチを力強く推進しているのです。

私は、7年ほど前「トランジションタウン」を取材したことがありました。譲り受けた古民家を廃材を入れて改装し、キッチンや居間を作っているなど、わくわくしながら創造的に取り組まれていたのが印象的でした。

事業支援:エフェクチュエーションによる共創型の創業

私のかかわる、ビジネスや起業の支援分野でも、「インクルーシブ」な考え方が注目されています。それがエフェクチュエーション(Effectuation)、日本語では「創発的アプローチ」とも呼ばれる起業理論です。従来のように綿密な計画を立ててリスクを避けるのではなく、今手元にある資源や人脈を起点に、小さく始めて走りながら軌道修正し、周囲を巻き込みつつ事業を形にしていくという発想です。例えばアメリカでレンタカー業の大手となったU-Haul社の創業期には、創業者のショーン夫妻がたった1台のトレーラーを持って旅に出て、行く先々のガソリンスタンドに「このトレーラーをお店で貸し出してみませんか?」と呼びかけました。その提案に共感したスタンド経営者たちとのゆるやかなネットワークが次第に広がり、サービス開始からわずか数ヶ月で全米の各地に30台以上のレンタルトレーラー拠点が誕生したのです。最初から大資本を投下して大型店舗網を構築するのではなく、共感したパートナーと利益をシェアする「クレイジーキルト(継ぎはぎのキルト)型」の戦略で全国展開を果たした好例と言えるでしょう。

エフェクチュエーションの理論によれば、起業家は失敗しても大きな痛手とならない範囲でどんどん実験を行い、予期せぬ出来事(レモン)も味方につけてレモネードを作るように発想を転換します。実際、日本のアパレル企業「yutori」が新ブランド創出制度「Yリーグ」で毎年多数の若手企画を走らせ、一定売上に満たなければ素早く撤退する仕組みを設けるなど、エフェクチュエーションの考え方を取り入れる例も現れています。このように多様なステークホルダーとのコラボレーションや柔軟な方向転換をいとわない手法は、まさにインクルーシブな創業支援の在り方と言えるでしょう。誰もがアイデア次第で挑戦者になれる風土を育み、失敗も含めた学びを共有することで、持続的なイノベーション創出を可能にしているのです。

Q3:「インクルーシブ」をどのように生かしていけばいいの?

インクルーシブという言葉は、一見分野ごとに意味合いが異なるようですが、その根底には共通した想いが流れているように感じます。それは、人や自然、あらゆる多様性を包み込み、お互いの力を活かし合おうという前向きな姿勢です。組織では上司も部下も一緒になって職場を良くし、教育現場では子どもたちが主体的に学び合います。健康では地球環境までも視野に入れ、農業では生態系と調和し、地域コミュニティでは誰もが主役になって未来を描く。そしてビジネスの世界でも、志を共にする仲間と新しい価値を創造していく。どの事例からも、「排除しない」「対立しない」で協働することの大切さが伝わってきます。

私たち一人ひとりがインクルーシブな視点を持つことで、社会はもっと優しく強くなっていくはずです。もちろん、すべてをインクルーシブに進めるのではなく、必要に応じてエクスクルーシブな判断を取り入れ、柔軟に対応していくことも重要でしょう。小さな気づきからでも、新しい視点やブレイクスルーが生まれれば嬉しいです。

私なりにインクルーシブに考えるためのポイントをまとめてみました。

常識にとらわれないで考えてみる

VUCAやBANIといった、明確な答えのない時代です。多くの人が地域を超えて交流できるようになり、テクノロジーも日々進化しています。これに伴い常識も刻々と変化しています。「リーダーは必ずしっかりしていないといけない」「畑は耕さなければいけない」など、当たり前とされてきたことをあえて見直すことで、新しい可能性や解決策が見えてくるかもしれません。

こっそりやりとりする

想いや仮説(こうしたら良いのではないか)を抱いたとき、誰にでもすぐに伝えることはおすすめしません。特に「案をすぐに否定したがる人」「自分の利益や支配欲に利用する人」には注意が必要です。また、組織の中で肩書が高い方やコミュニティのリーダー的立場にいる人ほど、変化を好まないこともあります。慎重に相手を選び、信頼できる方と丁寧にシェアしましょう。経験上、ある程度のエビデンスを準備し、伝え方のルートや方法など戦略を練れば、共感を得る可能性が高まります。反対するのではなく、解決することが大事だからです。同じような価値観を持つ人であれば、分野が異なっていても互いに理解し合い、良い刺激を与え合えるでしょう。それこそが地球環境と健康を包括的に考える、真のインクルーシブにつながるのだと思います。

視点を変えてみる

一つの視点に固執するのではなく、複数の視点で物事を見ることが重要です。自分が経験しないとわからないことも多いです。たとえ、気が進まないようなことでも、それが視点を変えるきっかけになることもあります。私は苦手なことが多いから、すべての人が苦手なことがあると心から思えていることが、今の仕事に役立っています。一人で視点を持つのは難しいと感じる場合は、その視点を持つ人と一緒に考えることをおすすめします。

この記事が、みなさまの気づきや一歩を踏み出すきっかけとなれば、とても嬉しいです。

お知らせ

最後にお知らせです。

事業開発とプロジェクトマネジメントのプロと学ぶ!~正解がない時代にプロジェクトを成功させる「動きながら考える方法」~
https://pm-bizdev-0711.peatix.com

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②夢を進める壁打ちラウンジ(1対1/無料)毎月1のつく日に不定期

開催予定 ※Dreamgateには先行掲載、Peatixにいれていきます

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【気になる言葉その11】「行動経済学」とは

VUCA/VANI時代の新しい事業や創業を伴奏する触媒・外部デバイスでありたい、中小企業診断士、国家資格キャリアコンサルタントの藤田です。

世にある新しい言葉をほぐして、紐解いていく気になる言葉シリーズ。
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その1「BANI(バニ)」その2「エシカル(ethical)」その3「カオス(chaos)」その4「ナラティブ(narrative)」その5「伴走型支援/伴奏型支援」その6「ナラティブ(narrative)リターンズ、アゲイン?!」その7「ナッジ」その8「mixi2」その9「TAMSAMSOM」その10「PA(パブリックアフェアーズ)

今回のその11は、私が大好きでたまらない「行動経済学」のお話です。ナッジともの家族のような深い関係があるので、以前ご紹介した【気になる言葉その7】ナッジの記事も、ぜひ合わせてご覧くださいませ。

Q1:行動経済学とは?

行動経済学って、なんとなく耳にしませんか。ノーベル経済学賞でも2回受賞されているんです!ただ「〇〇経済学」という言葉はとても多いので、「具体的にどういうこと?」という方も多いかもしれません。

一言でいうと、行動経済学は「人って、実は結構気分や感情に流されて動いちゃうでしょ?それって入れないとだめじゃない?」ということを研究する学問です。これまでの経済学は「人間はいつでも合理的で損得しか考えない」という前提でしたが、「いやいや、人って結構感情で動くし、損得じゃなくて決めちゃうことあるでしょう」という前提で考えるのが行動経済学。

そして「ナッジ」は、この行動経済学をうまく使って、「ちょっとした工夫(そっと背中を押すような仕掛け)で良い選択を促す方法」です。

つまり、行動経済学がベースで、その実践的な手法がナッジというわけです。行動経済学が親なら、ナッジは子供ということですね。

Q2:行動経済学を使うと、どんないいことがあるの?

行動経済学って、実はすごく身近で楽しい学問でして。「なぜ人はこう動くのかな?」とか「どうしたらみんなが喜んで動いてくれるかな?」といった、日常のちょっとした疑問や人間らしい感情を理論的に解きほぐしてくれます。最近よく使う生成AIも、人の悩みに寄り添ったり共感する回答をしてくれますが、行動経済学もまた同じように「人間ファースト」で、今の時代にぴったりな学問なんですよね。

私自身も、ダイエットしたいのについ甘いものを食べたり、予定外のものを買ってしまったり、なかなか行動に移せなかったり…。とっても人間らしい毎日を過ごしています(^^)。みなさんもきっとそんな経験にでしょうか?実はそれ、行動経済学を使うとちゃんと説明できちゃうんです。
そして逆に、行動経済学を活用すれば、無理なく楽しみながら良い行動ができるようになるかもしれません。ちょっと知りたくなってきませんか?

シチュエーション1:レジ横の「ついで買い」コーナー
レジで並んでいると、目の前に美味しそうなお菓子が…。つい「これも買っちゃお!」と手が伸びてしまいます。どうすればいいでしょう?

▼行動経済学で読み解くと:
レジ前のコーナーは、お店側の人間の「ついつい買っちゃう」心理を利用しています。お菓子や電池など、特別目的がなくても「ほしい」「あったら便利」「ストックしておきたい」と感覚で感じるものを、目に入りやすく手に取りやすい場所に置くことで自然と買いたくなるんです。

シチュエーション2:心を掴む感動CM 泣けるストーリーや笑える映像
CMや動画で「これ欲しい!」「このブランド、なんか気になる…」なぜか忘れられない、耳についてしまう…刷り込まれている…なお、幼い私は地域で流れていた制服の〇〇のCMが耳から離れず、小学校の制服は〇〇で買いたいと両親にお願いをしたんだとか。離れなかったんです(;’∀’)

▼行動経済学で読み解くと:
人は感情が動くと、理性よりも感情が優先されてしまうのです。マクダレン効果という、エチオピアの寄付を呼び掛ける広報について、理論やデータで状況を説明したケースと、マクダレンさんという女の子の話をしたケースでは、後者のマクダレンさんのほうが寄付額が伸びたそうです。感動する話や心に響く映像を見ることで共感や感情移入が生まれてしまい(以前ご紹介したナラティブの話にもつながりますけど)、理論が吹っ飛んで決断をすることも多いと思います。商品サービスなどブランド名が記憶に残ったり、「欲しい!」という強い気持ちになるのは、脳の仕組みもそうなっているんだとか…

シチュエーション3:ダイエットしたい!が、つい食べてしまう…

行動経済学で読み解くと:
食事を毎日記録する「レコーディングダイエット」やパーソナルジムでも食べたものの写真をトレーナーに送る仕組みがよくありますよね。これは毎回食べるたびに記録・撮影することで、自分自身の行動を意識するそうです。カロリーが高いものを食べると記録時に良心の呵責を感じ、そのあとは控えたり、トレーナーに見せる時に恥ずかしいので控えたり…。知らない人でも「人の目」を気になりますよね。「宣言すると願いが叶う」というアファメーション効果が言われるのも、この心理をうまく使った、これは人間の社会的動物という特性をつかっている行動経済学に基づくテクニックなんです。

Q3:行動経済学をビジネスに楽しく生かすには!?

行動経済学はビジネスや仕事のシーンでもとても役立ちます、例えば、「お客さんにもっとお店に来てもらいたい」「チームが楽しく仕事に取り組んでくれたらいいな」といったことを、ちょっとした工夫で無理なく取り組むヒントがあります。

行動経済学の活用するポイントはセミナーなどでお伝えしていますが、ここでは、「誰に」「何を」「どのように」のフレームで考えてみます。

例えばお店なら、

  • 「誰に」:お店の前をお昼時に通る人に(理想の顧客像こと「ペルソナ」といいますね!)
  • 「何を」:お店に気軽に入ってほしい、買ってほしい(特定する方がいいです)
  • 「どのように」:入り口を明るくオープンにして、気軽な雰囲気を演出する(考えられることを試してみる)

職場なら、

  • 「誰に」:職場のスタッフに(どんなスタッフになのか具体的に考えてみるといいです)
  • 「何を」:積極的にコミュニケーションをとってほしい(コミュニケーションってどういう行動なのか?数値に落とせるとよりいいです)
  • 「どのように」:休憩スペースにお菓子や飲み物を置いて、自然と集まり会話しやすい環境を作る(考えられることを試してみる)

そこに、行動経済学やナッジの理論をあてはめてみると解決策がみえてきそうです。

なお、当事務所のYouTubeチャンネル「夢を動かす壁打ちチャンネル」にてご紹介しています(2025/6/9(月)AM10:00公開予定「行動経済学(ナッジ)を使って楽しく進めよう」)

なお、当事務所のThreadsでは、「今日のナッジ」としてゆるーく行動経済学/ナッジをご紹介していますので、ぜひそちらもチェックしてみていただけると嬉しいです☺

さいごにお知らせ

当事務所では毎月ゆるっとイベントもやっています。何か質問したいことや相談したいこと、ゆるっと夢を進めたいとこっそり依頼したいことなどありましたら、お話してください。全ての方になんてことは申しませんが、ここまでみて「感覚が合いそう」と感じた方には大変うけております(笑)

①7/11(金)18:00- ハイブリット開催
事業開発とプロジェクトマネジメントのプロと学ぶ!~正解がない時代にプロジェクトを成功させる「動きながら考える方法」~
https://pm-bizdev-0711.peatix.com

動きながら考える方法をプロジェクトマネジメントのプロとがえりさんと事業開発の私で考えていくセミナーです。有料ですがフォローアップもあり、しっかりフォローします!宣伝すみません(;’∀’)

②いつもの【夢を叶える壁打ちワークショップ】  毎月11日朝 2025/6/11(水)7:00(グループ形式/無料)

毎月11日の朝7:00に、グループで夢について誰にも遠慮せず、壁打ちをし合っています。朝早くて夜型さんにはつらいかもしれませんが、朝起きは三文の徳で無料なので、気が向いたらぜひ。
詳細はこちら→ https://dreamadvance2025061107.peatix.com

③いつもの【夢を進める壁打ちラウンジ】(1対1/無料)毎月1のつく日に不定期

1対1の気軽な壁打ちタイム。毎月「1」のつく日に気が向いたら開いています。国家資格の士業として守秘義務は守っています。日程はDreamgateで先にぼそっとお知らせし、その後Peatixにも載せますので、気になったら見てください。

開催予定 ※Dreamgateには先行掲載、Peatixにいれていきます

ご質問やご相談やお仕事のご依頼は、お問い合わせフォームよりお尋ねください。

必要な方に届きますように🍀

【気になる言葉その10】「public affairs(パブリックアフェアーズ」とは

VUCA/VANI時代の新しい事業や創業を伴奏する触媒・外部デバイスでありたい、中小企業診断士、国家資格キャリアコンサルタントの藤田です。

世にある新しい言葉をほぐして、紐解いていく気になる言葉シリーズ。
過去記事はこちらです。
第1弾「BANI(バニ)」はいかがでしょうか。第2弾は「エシカル(ethical)」です。第3弾の「カオス(chaos)」をに続き、第4弾の「ナラティブ(narrative)」、第5弾「伴走型支援/伴奏型支援」に続き、第6弾再び「ナラティブ(narrative)リターンズ、アゲイン?!」第7弾「ナッジ」第8弾「mixi2」第9弾TAMSAMSOM

今回その10は、「PA(パブリックアフェアーズ)」です。私も概念については聞くことはありますが、言葉としては初耳でした。早速ChatGPTのDeepresearchさんと連携しつつ、調べてみました。

Q1:パブリックアフェアーズ(PA)とは?

英語の組みあわせって多いですよね。

PA??
パーキングエリア?
風邪薬?
プロセスオートメーション (Process Automation)?
ポリアミド (Polyamide)?(ナイロン)
Protection Grade of UVA (Protection Grade of UVA)?
ぱ…?

じゃあ、なんでしょう?

正解は「パブリックアフェアーズ」。ちょっと聞きなれないこと響きですが、実はわたくしたちの生活に関係しています。企業や業界団体が政府や地域社会と一緒に課題を解決するために働きかける活動のことなんです。

以下の記事によると「企業が政治・社会・コミュニティなど多様な外部環境と戦略的につながる」ために必要な活動となされているようです。

海外で定着、日本でも拡がりつつあるPAの重要性

https://note.com/atsushinagashima/n/n5df084f05f1c

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イメージすると、PPP(官民連携)がいろんな人たちが集まる「箱」だとすると、PAはその箱の中であっちこっち動き回る「矢印」みたいなものという気がします。

例えば、あなたが画期的な社会課題解決する新しい方法を考えついたとします。絶対それで救われる人もいるし、世の中にとっていい、ただ、法律や規制があってして前に進めない……そんな時、行政や社会に「ちょっと話を聞いてくれませんか」と声をかけ、対話をして理解してもらいながら新しいルールを一緒につくる活動もPAの役割です。まさに、社会と企業をつなぐコミュニケーションです。

あるいは、社会課題解決は既存の経済原理にもってくると、相手に負担させてはいけないとか、寄付だけでは集まりにくいとか、ボランティアにしましょうといっても続かないし、大きくできないということもあるかもしれません。

この課題は行政サービスとしてあると絶対に良いので、委託事業としてできないかと行政に働きかけることも含まれます。

Q2:PAをほぐしてみる

PA、実は見た目以上に奥深い世界です。ちょっとほぐしてみましょう。

対政治(ロビー活動): 政府や議員さんに、「法律を変えるべき理由は、これこれこうなんです!」と丁寧にお伝えして、説明し法律策定などについてご協力をいただきます。従来は政治家さんを訪ねていき、会議室でお話しするイメージとすると、PAはオープンに「みんなで問題を共有して解決しよう」というイメージです。

対社会(イシュー・マネジメント): 自分たちの考える社会課題と世の中で話題になっている事項より、当時問題意識を持っている方や同じ問題を扱っているグループに話を聞いたり、連携や交流したりなどです。

対地域日常(文字化けしていますが・・・)
(ステークホルダー・エンゲージメント): 地域住民やNPO、メディアなどいろんな人と仲良くなり、一緒に問題解決に取り組む活動です。コミュ力の見せどころ!
(コミュニティ・リレーションズ): 地元のイベント支援や地域活動に参加して、日常的に地域社会との信頼関係をつくる活動です。「ご近所付き合い」も大切です。

対みんなの非日常(危機管理): トラブル発生という緊急事態に、落ち着いて迅速な対応を行うことについて話します。BCP(事業継続力強化計画)などがあります。

対投資家(CSR): 企業が社会貢献やエシカルを通じて信頼を高め、投資家にも安心感を与える活動です。「信頼は一日にして成らず」なんです。

こんなふうに、PAは政治や社会、地域などいろんな相手と幅広くコミュニケーションを取りながら問題解決に取り組みます。まさにコミュニケーションのオールラウンダー、「非市場戦略の総合格闘技」といえるのではないでしょうか。

ちなみにPAに似た言葉でPR(広報)やGR(政府渉外)があります。PRは企業のイメージアップを目的とし、GRは政府とのやりとりに特化しています。一方、PAはそれらを包括しながら、もっと広く社会問題や公共政策までフォローするスーパーマン的な存在ではないかとおもいます。

Q3:PAを活用するには?

PAが活躍する舞台は介護、動物愛護、環境保護など本当に幅広いと思われます。社会課題について共感を得る見方を増やしていくことと思いますが、活用するにはこういう感じではないかと思ったりします。

  1. 社会に共感されるテーマを選ぶこと
    持っている社会の課題から「社会が良くなる」視点で賛同者が多くて、わかりやすいテーマとして打ち出すといいかもしれません。
  2. 専門知識を持つ人とチームを組むこと
    政策や法律など、専門的な知識を持った人の助けを借りると心強いです。専門家が個人的に課題を感じておられると、プロボノをしてくださるケースもありますし、専門特化した分野ではなければ行政などの無料相談なども活用できる場面もあります。業界団体などは知識をお持ちかもしれませんし、セミナーなどなさっていることも多いです。
  3. コミュニケーションは誠実で透明に
    自分の伝えたいことを受け取っていただく見方を増やすためには、グループとしての誠実さ、構成員のお人柄も大事になってきます。オープンで真摯で誠実な姿勢が最も大事になります。偉人の方やそのような方の姿勢を見習うということになってくるかもしれません。

最近ではSNSやオンラインメディアを駆使して、社会にメッセージを発信し、幅広く共感を得ることもおおいです。「映え」「わかりやすさ」も大切ですが、行動の積み重ねや真摯さ、裏表がないことなどが人を動かす気がします。

PAは、企業や団体が社会と手を取り合いながら新しい未来を作り上げるための強力なツールになるのではないでしょうか。身近な課題にもぜひPAを活用できる場面があれば意識されてみるといいかもしれません。

お知らせ
毎月11日(原則)開催の「夢を進める壁打ちラウンジ(2025年1月に夢をかなえるか壁打ちラウンジより改名)」では無料で開催しています。スケジュールはこちら(DreamGateのホームページ)です。ご質問やご相談やお仕事として依頼したいなどは、お問い合わせフォームよりお尋ねいただけましたら、別日程でも相談をお受けいたします。