【補助金のがっこう。その8】補助金の5つのポイント
補助金のがっこう。シリーズその1(5つの質問)はとその2(私は対象でしょうか)その3(補助金になりやすい費用なりにくい費用)、その4(補助金のよくある間違い)は、その5(補助金と助成金、給付金、そして3つの助成金…)その6(申請書を書くコツ)はその7(補助金に魂を入れる方法)に続き、5か月ぶりの投稿です。
なんで空いてしまったか…それはボリュームが大きいと言われる、小規模事業者持続化補助金、ものづくり補助金、事業再構築補助金などの国の補助金の公募がなかったからです。
国会が開かれ、補助金の予算が成立見込みのようです。経済産業省様の令和6年度資料がこちら
補助金セミナー資料をまとめていましたので、補助金のポイントをご紹介したいと思います。あと5つもありますが、これはご縁のあった方に。
ポイント1:原則後払い
解説:
窓口などだと「起業すれば、補助金ってもらえるんでしょう」と思っている方が多かったりします。〇〇金という言葉がいろいろありまして。コロナ直後にあった「給付金」は要件を満たせばいただける要素がありました。給付金は中小企業や創業をするともらえるというものは現在はありません。「助成金」という賃金アップをしたり、非正規労働者を正規労働者にした場合など給付されるものがありますが、これも基本後払いです。
前段が長くなりましたが、補助金は原則、後払いです。概算払い(事業途中での精算払い)がある補助金もあるのですべてとは言えませんが、中間の立て替えが強く先にもらえるのはないです。補助金以外を考える方がいいかなと思います。
ポイント2:選抜がある
回答:
「補助金は先着順でもらえる」と思っている方もたまにいらっしゃるのですが、それはありません。基本書類と面接などの選考があります。入試みたいです。定員割れがあった場合、ほぼ合格というのがあるかもしれませんが、条件を満たしていないとか審査基準にあっていないと落とされるでしょう。逆で申請が殺到すると厳しいです。50%が標準で、60-70%になることもありますが、30-40%もあります。
最初の第1回、時が空いて最初(いろいろ変わっている)は有利なことが多くて、回数を重ねると落ちた人が再応募して倍率が上がっていくことが多いようです。
ポイント3: 必要費用と上限金額
補助金は「おじいちゃんのおばあちゃんにおこずかいをもらう」に近いです。これを買いたいからとお願するということです。これを買いたいのこれは補助金で決まっていますので、それにあわなければもらえません。
また上限があり、100万円が上限ときまっています。この上限というのは手にできるお金です。
同時に補助率というものも書かれています。50%とか2/3などです。実証実験的な補助金や委託事業で行政の事業を受ける(自分たちよりまず行政)など特殊な例を除き、基本は100%もらえることはありません。
上限100万円、補助率50%ということは200万円の費用の50%がでて、100万円受け取れる
上限100万円、補助率2/3ということは150万円の費用の2/3がでて、100万円受け取れる
ということになります。
申請時の金額からは下げることはできますが、1円も上げられないのでそこも気をつけましょう。
ポイント4: 自社らしい取り組み
ここもよく誤解されますが、補助金は「誰にでもできる正解」を求めることではなくて、自身・自社の成り立ちやお強み、思いを生かしているかが大事です。A社の正解は、B社の正解ではないですよね。正解が同じなら事業がみんな同じになってしまいます。「こうしたい」「こんな投資をしたい」の裏になんのためでなぜそう考え、今後どうなるのかもしっかり触れましょう。
ポイント5: 目的は政策目標達成
補助金は困っている人を助けることがメインではありません。補助金はあくまでも公的事業の何か建てる、新しい取り組みをするものの政策目標の達成手段(スタートアップ、賃上げ、雇用創出など)の1種類です。どの政策に協力するのでこの事業と考える方が採択されやすいと思われます。補助金の原資は税金で、一部国有(公的)財産ということです。一定期間勝手に売れない。体制変更も事前に相談する必要があることになります。
以上、いかがでしたでしょうか。お役に立てますと嬉しいです。